涙や目ヤニがたくさん出る 逆さまつげ 赤ちゃんの下まぶたによく見られるもので、まぶたの皮膚が余っているために、まつげが眼球のほうに向いてしまう病気です。 程度が軽い場合は成長につれて自然と治ってくる場合が多いので、1~2歳くらいまでは目ヤニの多いときに点眼薬をつけながら様子を見ます。 成長しても改善が見られない場合は手術を行います。 結膜炎 白目やまぶたの裏が充血し、目ヤニや涙がでます。 結膜炎には細菌やウイルスによるものとアレルギーによるものがあります。 基本的には抗生物質等を2~3日点眼すると治りますが、流行性角結膜炎などのウイルス性の結膜炎は特効薬がなく、また感染力も強いので家に帰ったらよく手を洗うなどの感染予防が大切です。 涙のう炎 涙をためておく涙のうに細菌が繁殖し、炎症を起こす病気です。 先天鼻涙管閉塞といって、涙が涙のうから鼻に流れていく管が先天的に塞がっていることが原因の場合もありますが、多くは自然に治ります。 生後3ヶ月を過ぎても目ヤニが続くようなら眼科に受診に行く事をおすすめします。 先天性緑内障 涙や目ヤニがよく出て、光をまぶしがるようだと先天性緑内障の可能性があります。 先天性緑内障は生まれつき房水(眼球の中の水のこと)の排出路が詰まっていることにより起こります。 進行すると眼球が大きくなり(牛目)、治療が遅れると失明する場合がありますので注意が必要で、これを防ぐには専門的な医療機関でなるべく早く手術を受けることです。 現在は点眼麻酔による、ほとんど痛みのない無痛手術が行われていますのでご安心ください。
瞳が白っぽく見える 先天性白内障 白内障は加齢による老化が原因の場合がほとんどですが、まれに生まれつき水晶体が濁っている先天性白内障という病気があります。 乳幼児の白内障は目の発達に影響を及ぼすので早期発見、早期治療が大切です。 治療の基本は手術ですが乳幼児の場合、大人のように水晶体を取り除いて眼内レンズを入れるのではなく術後はコンタクトレンズなどで屈折矯正、弱視の治療を行います。 こちらもほとんど痛みのない無痛手術が行われています。
瞳が猫の目のように黄緑色に光る 網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ) 乳幼児の網膜にできる悪性腫瘍のことです。 生後すぐに発見される両眼性のものと、斜視のような症状や子どもの目が猫のように黄緑色に光るため発見される片眼性のものがあります。 早期に治療しなければ命にかかわるので疑わしい様子があればすぐに眼科に受診してください。 治療は早期であれば、レーザー治療や放射線療法、冷凍療法、化学療法などを行います。 発見が遅れて進行すると、眼球摘出が必要になりますので早期発見、早期治療が一番重要です。
片方の目の視線が別の方向を向いている 斜視 両目の視線が揃っておらず、片方の目の視線が別方向を向いている状態を斜視といいます。 眼位(目の位置)により 内斜視、外斜視、上下斜視に分けられています。また、斜視のように見えても、実際はそうでないものを偽斜視といいます。 斜視は遠視、視力障害、腫瘍など様々な原因によって起こり、その背後には重大な病気が隠れていることもありますので、症状が見られた場合には早めに医師の診断を受け、斜視の原因をはっきりさせる事が大切です。 治療についてですが、偽斜視の場合は成長とともに自然と治ります。偽斜視かどうかを判断するにはフラッシュをたいて写真を撮ると分かります。目に映る光の反射が瞳の中央にあれば斜視ではありません。 眼科に受診の際に子どもが生まれてからの各時期の写真をお持ちいただくと、医師の診断に役立ちます。 遠視が原因である内斜視では、まず眼鏡による屈折矯正を行います。それ以外の斜視の眼位の矯正には手術が必要となります。ただ、弱視を伴っている場合には視力があるほうの目をアイパッチで毎日数時間隠して、視力の劣るほうの目を強制的に使うことによって視力回復を図る、健眼遮閉法と呼ばれる治療を事前に行います。
目を細くしたり、頭を傾けてものを見たりする 弱視 弱視とは視力の低下した状態を言います。 原因としては斜視や遠視、屈折異常、白内障などいろいろとありますが、治療をすればよくなるものがほとんどなので、症状に気付いたら早めに眼科医に相談し視力補強訓練をしましょう。 視力補強訓練には、眼鏡やコンタクトレンズによる屈折矯正、良いほうの目を隠して視力の悪いほうの目を強制的に使用して視力回復を図る健眼遮閉法などがあります。